妊娠中の食事・栄養の摂り方について
公開日: 最終更新日:2021-02-17
先日「妊娠中にしておけばよかった24のこと」という記事を書きました。実はこれ、思いつくまま書き出してみると30以上の超大作(=自分でも読み返したくない分量の記事)になってしまいました。
さすがにこれは長いよなーと思ったので、妊娠中の食事・栄養について、分けてUPします!
妊娠前から葉酸を摂ろう!
「葉酸」は胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを低下させるため、妊娠前〜妊娠初期に特に摂取を勧められます。妊娠を望む人は、葉酸の多い食材を調べて十分な摂取を心がけておきましょう!
…ということを妊娠後に知った私。妊娠が分かってから大慌てで葉酸について調べまくりました。
妊娠前〜初期はもちろん、妊娠中期〜後期も通常時の倍必要だそうです。
▼ 葉酸摂取の推奨量(厚生労働省「日本人の食事摂取基準・2015年版」より)
- 成人男女 … 240マイクログラム / 1日
- 妊婦(妊娠前〜妊娠中) … 480マイクログラム / 1日
- 授乳中 … 340マイクログラム / 1日
妊娠すると様々なところで「葉酸サプリ」の広告を見かけますが、私は出来るだけ食品から摂取しつつ、サプリは補助として使いました。
葉酸の取りやすい食品は?
私は下記のサイトをよく参考にしていました。
参考:簡単!栄養andカロリー計算「葉酸の多い食品と、食品の葉酸の含有量一覧表」
葉酸の豊富な食材として有名なのは「レバー」「ほうれん草」などですが、レバーはビタミンAの過剰摂取(後述します)もあるので頻繁には食べられないし、葉物野菜は茹でると葉酸量が半分になるし…
で、手軽に葉酸を取りやすかったのは納豆で、これにかいわれ大根(生のまま刻む)やモロヘイヤ(茹でて刻んでジップロックに薄く伸ばして冷凍→パキパキと割って使用)、焼き海苔などをたっぷりトッピングして、ほとんど毎朝食べていました。
(妊娠初期はツワリで食べたいもの食べたくないものがコロコロ変わって、大量に買い込んだ納豆が急にイヤになった時期もありましたが…。納豆は冷凍できるので助かりました。)
後日談ですが、息子は納豆と焼き海苔が大好きです。まだほとんど食べ物に興味を示していなかった離乳食初期に、私用に出していた焼き海苔を勝手に奪って食べ、口の周りを海苔まみれにしていました(息子の人生初の手づかみ食べ)。離乳食を食べなくて食事に大苦戦していた時期も、納豆と焼き海苔は鉄板でした。
お腹の中にいる時によく食べたものってちゃんと覚えているのかもしれませんね。
サプリは「補助」として
…とは言っても外食した日や「足りないかな〜」という時はサプリを使いました。サプリは妊娠中に不足しがちな鉄分やカルシウムも一緒に摂れるものがオススメです!
私も何種類か試しましたが、水で飲む錠剤タイプよりもおやつ感覚でポリポリ食べられるタブレットタイプの方が好きでした。
参考サイト:妊娠中の食事とサプリメントについて(国立健康・栄養研究所)
おやつには栄養価の高いものを
妊娠中、食べづわりで体重がどんどん増えた私は産院で体重管理を注意されていたのに、どうしても甘いものが辞められませんでした。特にチョコレート…。そこで、おやつにチョコレート味のシリアルを食べるようにしました。これなら栄養バランスもばっちり!天然食材の栄養素では無いけれどそれはサプリも同じだし…。表示を見て添加物など余計なものが入っていないものを選べば良いと思います。
あと、おやつに果物もよく食べました。あ、でも果物は体を冷やすものも多いので妊婦さんは摂り過ぎ注意ですね。旬のものを少しずつ、美味しく食べる程度なら良いと思います。
便秘対策には寒天ゼリーを!
妊娠中はとにかく便秘が酷く、コンスタントに産院で便秘薬ももらっていましたが、オリゴ糖やらするっと抹茶やら、妊婦さんOKなものはひと通り試しました。(結果、どれが効いて解消したのか分からないですが…相乗効果かな…)
それらと合わせて、私は手作りの寒天ゼリーをおやつによく食べました。
スーパーやドラッグストアで売っている粉寒天をお鍋に水を入れて煮溶かし、100%オレンジジュースや牛乳を混ぜるだけです。牛乳寒天にはオリゴ糖をかけて食べていました。
カロリーゼロの甘い誘惑
甘いのにカロリーゼロ…なんとも魅惑的ですが、人工甘味料の危険性はよく耳にします。少量なら大丈夫かとは思いますが、「0kcalなのに甘い飲料」などは控えるようになりました。
参考:カロリーゼロにだまされるな 本当は怖い人工甘味料の裏側
※スーパーやドラッグストアに売っているシロップタイプのオリゴ等は、成分表をよく確認してから購入してくださいね!オリゴ糖含有率が30%ぐらいで、後は人工甘味料…という商品もあるので、健康のために購入したのに知らない間に人工甘味料をたっぷり食べていた…ってこともありますので…。
え?「低脂肪」「脂肪ゼロ」もダメだったの?!
妊娠中一番辛かったのが便秘との闘いだった私は、毎日ヨーグルトをたっぷり食べていました。体重増加を気にして、なるべく「低脂肪」や「脂肪ゼロ」のヨーグルトを買っていたのですが、下記の記事を読んで真っ青になりました。
「低脂肪ヨーグルトは、アレルギーから私たちを守る脂肪を取り除いてしまっている」とのこと。可能性の話なので全てを鵜呑みにする必要はないと思いますが、人間があれこれ手を加えて作ったローカロリー食品よりも、なるべく自然なものを摂取した方が良いのかもしれません。
食べない方が良いものを知っておこう
妊娠中は特に「食中毒」に気をつけて!
妊娠中は普段よりも食中毒の原因になるリステリア菌に感染しやすく、赤ちゃんに影響がでることがあるそうです。
私は下記サイトを参考に、妊娠中は生ハムやスモークサーモン、ナチュラルチーズ等は避けました。
参考サイト:これからママになるあなたへ(厚生労働省)
他にも、生魚や生肉にはトキソプラズマ原虫がいることがあるため、海外では妊娠中は食べないように言われるそうです。(海外では日本のように生魚を食べ慣れていないため、日本ほど生魚の管理状態が良くないからだとか…)
私は…お寿司は食べたなぁ…。
過剰摂取してはいけないものもある。
お魚は体に良いけれど、水銀の過剰摂取の心配があるので食べる量(とお魚の種類)に注意が必要です。上の厚生労働省のページの中にある「お魚について知っておいてほしいこと(PDF)」が分かりやすいです。
妊娠中はビタミンAの過剰摂取も赤ちゃんが奇形に繋がる可能性があるので気をつけた方が良いそうです。葉酸豊富な食品に「レバー」や「ウナギ」が上げられますが、これらはビタミンAも豊富なので注意が必要ですね。
まあ、普通にバランスの良い食事をしている限りは神経質になる必要は無いと思うけれど、サプリメントを摂取している場合は、ビタミンAの含有量はチェックした方が良いでしょう。
海藻は体に良いのだけれど…
あと、妊娠中はワカメ等の海藻類は栄養豊富で摂取すると良いと言われたのですが…私、海藻類が大の苦手!!特にワカメは大嫌いで、ワカメ風呂に入る夢でうなされたこともあります。
かろうじて食べられるのがひじきととろろ昆布だったので、それらを積極摂取…しようと思ったのですが、これも要注意食材でした。
ひじきにはヒ素が、昆布にはヨウ素が含まれており、妊娠中は摂り過ぎない方がよいとのこと!!
助産師さんに確認すると「ひじきは鉄分も豊富だし、月に2〜3回、小鉢で食べる程度なら問題ない」と言ってくれはりました。とろろ昆布もOKだけど、和食はお味噌汁はじめ昆布で出汁をとるものが多いので、やはり摂取量には気をつけてねとのことでした。何でも摂り過ぎは良くないということですね。
…という訳で海藻嫌いの私は、焼き海苔(パリパリの状態なら美味しく食べられる。汁物に入ってるのは海藻に退化しているので無理)や青のりを摂取することにしました。
でもでも、好きなもの・美味しいものも食べておこう
こうして改めて書き出してみると、「アレもダメ、コレもダメ」でとってもストイックな感じがしますね、妊娠中の食事って。考えすぎてストレスをためるのも良くないし、たまには栄養よりも自分の好きなものを優先しても良いと思います。
だって、「産んだらおしまい」じゃないんだもん!授乳中はさらに食事のこと・栄養のことを考えるようになるし、子どもがいると外食も簡単じゃなくなるし…。
高級なお店でディナーを食べられるのは今のうち!
私の住んでいる地域は有り難いことに「子連れ歓迎」のお店が多く、出産後も思ったより外食が出来ています。
でもね、子どもに食べさせながらのご飯はゆっくり味わえないし、子どもが騒いでしまったら…などと考えると、結局「ファミレス最高!」になっちゃいます。
雰囲気の良いお店や、フルコースをゆっくり味わって食べられるのは今のうち、是非是非堪能しておいてください!
手の込んだお料理を作るのも今のうち!
つわりがあったり体がしんどい時は料理どころでは無いけれど、産休に入って時間が出来たら、時間のかかるお料理を作ってみるのも良いと思います。
子どもができると料理に時間がかけられなくて、手抜きのオンパレードになります。(私だけ…?!)あと、メニューも段々子どもが食べられるもの中心になっていきます。
妊娠中に色んな料理を手作りして「ほんとは色々作れるけど子育て中だから出来ないだけよ!」の実績を残しておきましょう!
たまにはジャンクだっていいじゃない!
普段は栄養バランスに気を配り、食べたいものも我慢している妊婦さん。どうしてもラーメンが食べたい、ファストフードが食べたい…って時は、我慢せずに食べて良いと思います。
私は妊娠中、Twitterに(とっても久しぶりに食べた)ラーメン画像をあげると「妊婦の自覚がない。お腹の子どもになんてものを食べさせるの?!」と怒られたことがありました。(男性フォロワーさんでした)
食事制限はまだまだ続くのだから…
でも、産んだ後、授乳中の方が食事に気を遣うことが多いです。
「脂っこいものを食べておっぱいが詰まったら…」「おっぱいの味が変わって赤ちゃんが飲んでくれなかったら…」とか、ほとんど都市伝説のような迷信に振り回されて、産後半年ぐらいはものすごく食事に気を遣いました。(科学的根拠はないらしいので皆さんは振り回されないでくださいね!!)
私は妊娠中に食べたいものを食べておいて良かったと思っています。
バランスよく、よく噛んでゆっくり味わって食べよう!
助産師さんに「妊娠中にオススメの食べ方はありますか?」と聞くとこう返ってきました。
「あなたたちに、アレはダメ、これを食べなさいって事細かく言ってもすぐ『え〜、そんなん無理〜』って言うでしょ!だからもう、私はこれしか言わないの。偏らないで、色んなものをバランスよく食べなさい。あと、よく噛んで、ゆっくり味わって食べなさいって。」
これはとても良いアドバイスだったなーと思います。(昼休みもまともに取れなかったブラック企業勤め時代に培った早食い癖がなかなか治らなくて…)
やっぱり和食が最高!
ちなみに妊娠中は「一汁三菜、和食中心で!」をよく聞いたけど、授乳中はさらに合言葉のように言われました。日本人の体にはやはり和食が一番合うのだと思います。
私は妊娠中に「おいしい症状別レシピ 妊娠&授乳中のごはん150」という本を購入しましたが、これは授乳中にも使えて良かったです。(思った以上に薄味でびっくりしたけど!)
最後にもう一度だけ…
妊娠中はツワリだ便秘だ腰痛だとマイナートラブルの連続で、早く産んでスッキリしたいと思ったことも何度もありました。でも、あの頃の自分に言いたい。
「熱いものを熱いうちに食べられるのは今のうち!!」
「ゆーっくり味わって食べられるのは今のうち!!」
どうぞ、今のうちに毎日の食事を楽しんでおいてください。