リクリセミナー「フォントのホント リターンズ with FONTPLUS DAY」に参加したよ!
公開日: 最終更新日:2018-09-27
先週末の2018年9月22日、第36回リクリセミナー「フォントのホント リターンズ with FONTPLUS DAY」〜フォントワークス 藤田重信さんをお迎えして〜が開催されました。
筑紫書体などのフォント制作者 藤田重信さんは2016年にNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも特集された書体デザインの大先生で、そんな藤田さんのお話が関西のWeb制作者向けセミナー「リクリ」で聞けるということでドキドキしながら参加しました。
筑紫書体開発の今後 藤田 重信さん
さすが藤田さん回というだけあって、今回2割以上の参加者がグラフィックデザインがメインの方で、懇親会でもたくさんの「フォントガチ勢」の方々のお話を聞けました。
私自身はそんなにフォントに詳しくないのでちょっと気後れしながらの参加でしたが、今回書体の作り手の情熱とこだわりを知ることが出来て「フォントって面白い!」って思えました。今後は私も「書体選び」を楽しめそうです。
(私は印刷系の専門校でデザインを学んだけど、担任の先生が写植出身の方で文字組みのダメ出しが厳しすぎて、デザイナーのくせに「文字周り難しい、怖い」という苦手意識を引きずったままweb業界に来たもので…。)
→ 第36回リクリセミナー「フォントのホント リターンズ with FONTPLUS DAY」のツイートまとめ #resem36
時代を変えた丸ゴシックNAR(書体ナール)のお話。 #resem36 https://t.co/VLI22aJFOn
— よしぱん (@yoshipan) 2018年9月22日
▼求められて作った「筑紫丸ゴシック」は明朝ほどこだわりなく作ったけど、結果的に一番ヒットしたそうです。
ナールの流行後、丸ゴシックはナール的なフトコロの広い丸ゴシックばかりだった、2000年頃のグラフィックデザイナーさんに求められて作ったのが筑紫丸ゴシック。(聞き違えてたら教えてください…) #resem36
— よしぱん (@yoshipan) 2018年9月22日
▼「筑紫アンティーク丸ゴシックB」と一般的な丸ゴシック体との違いを「春」の文字を使って説明、細部までこだわりがすごいです!!
書体作る人のこだわり、情熱ほんとに凄い…。これ聞いたら今後の自分の書体選びも変わるな。 #resem36
— よしぱん (@yoshipan) 2018年9月22日
Futuraと日本語のゴシックが合わないとよく言われる→筑紫AMゴシックBなら合う、かわいい。 #resem36
— よしぱん (@yoshipan) 2018年9月22日
▼現在開発中の筑紫フォントのお話。楷書体を作るかもしれないし作らないかもしれない…というお話の中で。
「楷書」の定義から逸脱していても、使う人に「これなら使える!」と思ってもらえる方が大事。異端な楷書でもいい。 #resem36
— よしぱん (@yoshipan) 2018年9月22日
フォントおじさんのWebフォント最新事情 関口 浩之さん
「フォントおじさん」こと関口さんのセッションは何度か聞いたことありますが、テンポが良くて分かりやすくて毎度本当に面白いです。今回もあっという間の40分でした!
書体が持ってる感性、シーンや情感、コンテキストにあった書体選びの話。フォントおじさんのセッションは毎度ひたすら面白い。 #resem36
— よしぱん (@yoshipan) 2018年9月22日
「LOUIS VUITTONのロゴ=英字フォントのFutura」など事例紹介しながらの「世の中にある素敵なロゴ、既存のフォントを使っていることが結構多い」というお話が印象深かったです。
あと、2020年の東京オリンピックに向けて、街中の「英語の組み方、大事になるよ」というお話も。欧文書体にも今まで以上に目を向けてみると面白そうです。
「ココにはこのフォントが合う!」という書体の使い所を見極める力・フォントの目利き力=「フォントソムリエ感」が大事というお話は、藤田さんの「コピーに説得力をもたせるフォント」にも通づるものがあってすごく納得できました。
「FONTPLUS ためし書き」で「Webフォント」が試せる!!
FONTPLUSさんのサービス「FONTPLUS ためし書き」を使えば、ブラウザ上で好きな文字を打ってフォントを選んで見栄えを試すことができます。サイズや色味も変えられるので、結構遊べますよ!!
リクリセミナー #resem36 で教えてもらったFONTPLUSさんの試し書きで遊んでたら #おっさんずラブ の副題「君に会えてよかった。」がイワタ明朝体オールドでは?と知れたので私は満足です。 #Bulmer 、 #イワタ明朝体オールド を #FONTPLUSためし書き してみました。 https://t.co/KrUS9orQ8y
— よしぱん (@yoshipan) 2018年9月24日
(予約している「おっさんずラブ」のBlue-rayボックス発売日が近づいて来て舞い上がってますスミマセン。ちなみに「おっさんずラブ」の題字はフリーフォントの「ほのか明朝」だとか…OL特定班すごい!!)
トークセッション
spicagraphのあやさんと株式会社ノイの八釼さん、そして会場からの質問に藤田さん(時々関口さん)が答えるトークセッションも、勉強になることがたくさんありました。
以下、メモ書きレベルですが特に印象に残ったことを。
フォントを覚えるコツは?(よく巷で言われる「絶対フォント感」の身につけ方)
「自分の名前のひらがな」をいろんなフォントで見比べる。
子どもの頃から一番書いている名前だと、違いに気づきやすいそうです。
フォント初心者の書体選びのコツは?
そのコピーに一番合うフォントはどれか、どんどん変えて、10より100、トライ&エラー、たくさん試す。
思い込みを捨てて、たくさん試してみて実際に肌で感じないとダメだなーと思いました。
カーニングのポイントは?
かなを詰めて、漢字と同じピッチになるように調整する。(本蘭明朝など、漢字のツメがきつめのフォントの場合はかなもきつめで。)
書体デザイナーとしてセンスを磨くためにしていること、後輩へのアドバイス
常に見るものを「あれ、違うんじゃない?」「あの色合わせおかしくない?」を常日頃気になってたまらない人が向いている。
- デザイン = あることを解決する
- 筑紫明朝 = コピーが生きる という解決!
(書体づくりで)アンカーポイントが少ないほど美しいカーブになる
- 「こことここにアンカーポイントを打つ」という常識を無視、最低限のポイントを打ったら自動カーブ。
- 一番キツイカーブに打たない。
▼藤田さんの過去ツイートから。
アンカーポイントの量。筑紫Q明朝。 pic.twitter.com/yYewUPxhtC
— 藤田重信 (@Tsukushi55) 2016年12月18日
先日の筑紫座談会の際に筑紫書体のアンカーポイントの少なさを見たいとのご要望がありその場ではフォント制作ソフトが入っていなノートPCでしたのでお見せすることができませんでした。「ゆ」の場合だとこんな感じのアンカーポイントの位置と数です。他の書体デザイナーとは違うと思っています。 pic.twitter.com/1UFH6VgcWy
— 藤田重信 (@Tsukushi55) 2017年10月3日
仮名「ゆ」ベジェ曲線パスで制作はこうして作っています。 https://t.co/gzJ2Wp7Sdm @YouTubeさんから
— 藤田重信 (@Tsukushi55) 2017年10月6日
「フォント愛」にあふれたセミナーでした。
トークセッションであやさんも仰ってましたが、WebデザイナーっていろんなきっかけでWebの世界に入っていて、書体の成り立ちや使い方などを全然知らないまま大量のフォントと向き合うことになった人も多いと思います。
だから今回のような「Web制作者がフォントのマニアックな話を聞ける機会」ってとても貴重だし、それを実現してくださったリクリ代表のこやみーさん・スタッフの皆様と、きっと裏で暗躍していたであろうフォントおじさんに感謝感謝です!
刺激いっぱいの1日をありがとうございました!!