今年読んだ小説の中で特に良かった6冊!
公開日: 最終更新日:2023-12-03
※この記事は「今年読んでよかった本 Advent Calendar 2023」2日目のエントリーです。
毎年12月1日から25日まで開催されるブロガーのお祭り「Adventar」!
2022年・2021年と参加させてもらった「おすすめ本 Adventar」が今年は見当たらず、11月末に急遽立てた「今年読んで良かった本 Adventar」ですが、多くの方にエントリーしていただけて嬉しいです!
昨日はトップバッターのかおらべさん(@kaorabe)がブログ記事「今年読んでよかった本2023」を上げてくださいました!おすすめ本って個性が出るから、皆さんの記事を読むの、すごく楽しいです!
今年も小説やビジネス書・健康本・自己啓発本・教育本などなど雑多に読んだので紹介したい本は山程ありますが、昨年の「今年読んだ150冊の中で特に良かった6冊!」と一昨年の「2021年に人からオススメされて良かった本 6選」同様、6冊ピックアップしてみます!絞りきれないから小説縛りにしよっと!
成瀬は天下を取りにいく(宮島 未奈)
「こういうお話を欲していた!」と思える、平和で痛快、元気がもらえるヒリヒリしない青春小説。短編集なので軽い気持ちで読めるのもありがたい。
最初は周りの目を気にせず突飛なことをする女子学生「成瀬」を島崎(=1章の私)の視点で楽しんだ。章が進むにつれて超人成瀬のファンになっていったけど、最後の成瀬目線の章になると、ちょっとしたことで島崎に嫌われたのではないかと恐れる普通の女子高生ぽいところも垣間見えて、愛おしさが爆発した。
滋賀愛に溢れたお話なので全滋賀県民と、滋賀好きな人にはぜひ読んでもらいたい。あとミルクボーイとM-1好きな方にも。
特設サイトで1章まるまる読めるので、まずはそちらから!
らんたん(柚木 麻子)
柚木麻子さんも大好きな作家さんで、エッセイ「とりあえずお湯わかせ」刊行記念講演会でサインをもらえたのは今年の良き思い出♥
「らんたん」は恵泉女学園(柚木さんの母校)の創立者、河井道さんをモデルにした大河小説。読み進めると意味が分かるタイトルも素敵。
新渡戸稲造や津田梅子、村岡花子や広岡浅子などの有名人もたくさん登場する超大作だけど読みやすくて、大正〜昭和初期の気運を女性目線で感じとれるのが斬新。Audibleもあったので耳読にも良いかも。
女子教育に尽力した先人たちの物語を知り、改めて、フェミニズムについて考える。先輩達が戦ってくれたお陰で、今、女性の私には選挙権があり、教育を受けることができ、働くことができている。あと体育のブルマ撲滅も!過激な活動には辟易するけど、繋いでいきたい部分もある。例えばセクハラや女性に対する理不尽な扱いに対して、私達の若かりし頃は「うまくかわす」しかなかったけど、後輩達に同じ思いをさせないために、私達はお局様扱いをされても盾になる。
女の敵は男でも女でもない、古い価値観や慣習だと思うから、一つずつ壁を壊していきたい。
義経じゃないほうの源平合戦(白蔵 盈太)
9月に今年一番の項垂れ案件があって、心を回復させたくて「今まで読んだことの無いジャンルの本を読もう」とジャケ買いしてみたらめちゃくちゃ面白くて、お陰で立ち直れた思い出の本。
「頼朝と義経、二人の天才に挟まれた平凡な男」源範頼の視点から見た源平合戦。歴史小説がこんなに読みやすいなんて!
この時代は特に好きでもなかったし「義経かわいそう」ぐらいしかなかったけど、範頼さんの板挟み感に共感しまくり、俄然興味が持てて、読了後には日本史の教科書を引っ張り出していた。
かわいく健気な戦バカって感じの義経も愛らしくて「義経かわいそう」って気持ちは増大した。
白蔵さんの歴史小説にすっかりハマって「あの日、松の廊下で」「画狂老人卍 葛飾北斎の数奇なる日乗」と10月の新刊「関ケ原よりも熱く 天下分け目の小牧・長久手」を立て続けに読んだけど全部面白いの!「あとがき」のちょっとした解説は無粋だと言う人もいるかもしれないけど、歴史小説初心者にとってはありがたい道標。これからもいろんな時代のお話を書いてほしい。
宙ごはん(町田そのこ)
安定の町田そのこワールド、心をぐっと掴まれるけど優しい気持ちにもなれる、ちょっといびつな家族の物語。
「52ヘルツのクジラたち」や「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」同様、登場人物の抱えるものの重たさはあってヒリヒリするけど、常に救いと優しさがあるので息苦しくならずに読み進められるのが好き。(でも「コンビニ兄弟」みたいに気軽に読めるのも好き!)
複雑でクセはあるけど悪人じゃないし愛情もある親と、絶対的な味方でいてくれる家族級の他人。主人公の宙(そら)が成長するにつれ、周りの大人達の状況も環境も変わるけど、とっておきのレシピが心を癒してくれる。
心が疲れている時にはゆっくり美味しいものを食べよう。その術を知っているだけでも地に足つけて生きていける気がする。
櫓太鼓がきこえる(鈴村 ふみ)
相撲部屋に「呼出(よびだし)」見習いとして入門した高校中退の青年の成長を描いたお仕事小説。
私は全く相撲に興味がなくて「呼出」という仕事があることも知らなかったけど、分かりやすい文章で土俵や相撲部屋の光景が目に浮かび、スムーズに読み進められた。
「角界」という知らない世界を垣間見れる面白さもありつつ、どんな仕事にも通ずる普遍的な「新米の悩み」と「成長の過程」もあって、1冊で二度美味しい小説。
「早く成長したい」「一人前になりたい」という初々しい気持ちを思い出させてくれる。息子がもう少し大きくなったらこういう本も手にとって欲しいな。
傲慢と善良(辻村 深月)
婚約者の謎の失踪から始まる恋愛ミステリー。かと思いきや、もっと内面をえぐられる、刺さるワードの連続!読み進めるのにパワーが必要だけど、ページをめくる手を止められない。さすがは辻村深月さん!
「結婚」となると双方の親や親族のアレコレも着いてくるし、その中で古い価値観やしきたりに付き合わなければいけない事案もある。
物語の中の「地方特有の狭い価値観」も分かりすぎるし、「親や世間から押し付けられるものに反発しながら、染まっている」というのも、善良な私達世代の特徴なのかもしれないと思った。
もう少し下の世代になるとバカバカしいって突っぱねられるのかもしれないシガラミに、バカバカしいと分かっていても抗いきれない私達。せめて自分の傲慢な価値観を子どもに押し付けないように気をつけよう。
今年の読書をAdventarで振り返りませんか?
私は読書記録を「Notion」と「ブクログ」にまとめていますが、年末に1年の読書を振り返るひとときが結構好きです。余力があれば小説だけじゃなくて「健康本」「子ども向け」とかもまとめたいな。
「今年読んでよかった本 Advent Calendar 2023」にはまだ空きがあるので、オススメ本があるよって方はぜひ登録してください!ウッキウキで読みに行きます!!
明日の担当はかよこさん(@kmiyamoto198402)!楽しみです!