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第31回リクリセミナー「Webデザイントレンド in 大阪 2017」に参加したよ!

公開日: 最終更新日:2017-03-28

第31回リクリセミナー「Webデザイントレンド in 大阪 2017」

昨日、今年で6年目となるリクリの「Webデザイントレンド in 大阪」に参加してきました、@よしぱんですこんにちは。

Webデザイナーとして「これだけは毎年参加したい!」と思っているセミナーですが、今年も内容が濃すぎて頭がパンク寸前でした。毎年ちゃんとアウトプットするぞと思いつつ年度末のバタバタでブログに書きそびれるので、今年は質より速さで、印象に残ったことや感想のみ(なのに無駄に長い)ですがUPします。スライド等のフォローアップが届いたらまたじっくり振り返りますが、間違いなどあればご指摘いただけると幸いです。

スマートデバイスセッション

昨年「もう今年で最後」と仰っていたセッションが、iPhoneが誕生10周年を記念して(?)大阪版で復活されました!いえあ!

ちなみに昨年はECサイトに焦点を当て、ひたすら「会員登録フォーム・購入フォーム」に入力をしてスマホでのフォームの使い安さを検証するという変態的なことをされていたのが興味深かったです。

ちなみに2015-2016年ぐらいに私が一番実装したCSSは「チェックボックスとかラジオボタンとかをスマホでタップしやすいようにラベルっぽくする」だった気がします。「スマホで入力しやすいフォーム作り」の波が「町のWeb屋さん(by深沢さん)」のところまで来ていた証拠ですね。

今年は「スマホUIの10年の変遷」がメインテーマでした。私は2008年にiPhone3Gが上陸して以来ずっとiPhoneユーザーなのでこの変遷を肌で感じながら過ごせたのはラッキーだったなぁと思います。

ASCII.jpの記事で「2011年のスマホサイトキャプチャ」「2013年のスマホサイトキャプチャ」がアーカイブ化されていて、それと現在(2017年)のスマホサイトを見比べるのが面白かったです。

以下、印象に残った部分です。キャプチャ画像を見ながらのメモなので参加者以外には分かりにくいですが…。

  • 全体的なデザインは「スキューモフィズム(2011)」→「フラットデザイン(2013)」→「マテリアルデザイン(2016)」。全体ではマイナーチェンジしかしていない楽天など、設計が容易に変えられないサイトでもデザイナーさんがアイコンだけ頑張って変化させたりしていて面白い。
  • 背景色は「濃い(2011)」→「薄い(2016)」に。(=ブランドイメージ・インパクト重視から、コンテンツ・可読性重視への流れでは)
  • コンテンツは「ツメツメ(2011)」→「ゆったり(2016)」に。(=しっかり読んでもらえていた時代から、SNSのスキマ時間でしか見てもらえなくなった流れでは)

松田さん・矢野さん・たにぐちさんの注目ポイントも面白かった。

松田さん:マイクロインタラクション
  • マイクロインタラクション→ ちゃんと操作できているか、ユーザーを不安にさせないためのフィードバック
  • 昔からある「ATMの入金時にお金を数えるパタパタ音」が、実はユーザーを不安にさせないための擬似音だということを初めて知った。
矢野さん:2017年のユーザー動向
  • 所謂「企業ホームページ」が見られなくなってきている(ここ4年で10%程の減少)→SNSに時間を使っている。
  • 検索ではなくLINEなど閉じた空間での口コミが重視されるように。自分で欲しいモノを検索して調べだすのではなく、欲しいものに無自覚・受け身になっている。Webサイトで人を動かせなくなっている。
たにぐちさん:AI(人工知能の方)
  • AIがブラックボックスで使える時代になってきた!→デザイナーでもツールを通して使える時代に。
  • データ=AIの重要資源、データが大事。

フォントセッション

CSS Nite主催の鷹野さんのセッションがリクリで聞けるというのがもう…!!内容もさすが鷹野さん!な感じで、フォント関連の2016年の動向を30分でまとめて聞けて、めっちゃ濃いのに軽快!で面白かったです。(語彙力

  • テキスト … 人柄があらわれる ←文体、漢字をひらくか(「下さい」か「ください」か)、など。
  • フォント … 世界観・テイスト
  • 文字組み … 読みやすさ

デザインの専門校に通っていた頃、担任の先生が写植出身の方で文字組みを泣くほどしごかれていたのに、Webの世界に入って段々おろそかにしてしまっていたなぁ…と反省。(あと、安易にデザインフォントを取り入れると先生にボロクソに言われてたので敬遠しがちだったけど、手書き風フォントもだいぶ進化して使いやすくなっているようなのでちゃんとチェックします…)

FONTPLUSさんのスポンサーセッションや「深沢の目」でもあったけど、日本の一般企業でもWebフォントが当たり前に使われる時代が来たのだな…と感じられました。鷹野さんも深沢さんもCSSのfont-feature-settingに言及されていたのも印象的でした。

Webデザイントレンド

膨大な量のウェブサイト(海外・グローバル企業・上場企業・地方自治体)のキャプチャーアーカイブを毎年観測されている原さんこの1年(2016年)にリニューアルしたサイトをピックアップして気づいた今年のデザインの流暢を、登壇者の皆さんでレポートしてくださいます。

自分でやろうと思ったら気が遠くなるような作業を、90分にぎゅっと凝縮して聞かせてもらえるのが本当にありがたく、そしてめちゃくちゃ興味深いです。

参考:Webデザイントレンドをより楽しむためのセッションガイドブック

分かりやすい言葉で端的に切り込まれる矢野さん、鋭いツッコミが面白い坂本さん、冷静な分析の深沢さんのお三方と原さんの掛け合いが絶妙で、自分も見たこと感じたことをこんな風に言語化できる人間になれたらなぁ…と毎年思います。

年に1度の「再確認」と「これから」を考える場。

私はフリーランスのWebデザイナーですが、個人でお仕事していると「自分のやってることが時代遅れになってないかな、方向性間違えてないかな」って不安になることもあります。1年に1度、ああ間違ってなかった、まだやって行けるって確認させてもらえる、そして「ああやっぱり私はWebデザインが好きなんだ」と再認識もさせてもらえる、貴重なイベントです。

毎年必ず仰っている「トレンドとは最先端ではない、時代に最適化されつつある現象である」というキーワード。

ただ「流行ってるから真似しよう!」ではなく「どうして今こういうデザインが流行っている(=同時多発的に発生している)のか」を、ユーザー動向やデバイスの変化などから分析して、自分の案件に必要なら取り入れる、という思考ができるようになったのはこの「Webデザイントレンド」のお陰です。

1年で劇的に変化するのではなく、流れがあるのも面白い。

毎年参加していると「流れ」が見えてくるのも面白いです。

私は2013年(2回目)だけ出産直後で参加できなかったけど、2014年の回に参加して仕事復帰の背中を押してもらえました。移り変わりの激しい業界で1年のブランクって相当怖かったけど、「流れ」が把握できていれば何とかなるものですね。

印象に残ったところ+感想

  • 2016年はリニューアルが多かった。例年より1〜2割UP。
海外デザイン編
  • 雰囲気テクスチャ(玉ボケの進化・ローポリ→ノードへ・カレイドスコープ・等高線)…どんな時に使う?「どうしようもない時!!」←素材は無いけどデザインしなきゃいけない時に使える。
  • 変調リズムレイアウト(ズレを活かしたデザイン、誌面ぽい)…タブレットでおさまりが良い。無造作に置かれているようだけど、1つ安定して見えるところ(=視線の大黒柱)を作るのがポイント。写真素材が多くてとやりやすそう。
グローバル企業編
  • 「正直つまらなかった。何見ても代わり映えしない。」←禿げ上がるほど同意。デザインがどんどん簡素化していくのは今の流れで仕方ないけど、何百社ものサイトを見比べても代わり映えしないのはつまらないと感じちゃうなぁ…。
  • ローカルナビがなくなりつつある。(サイドナビなどがなくなり、下部階層もグローバルナビに集約されていたり、折りたたまれていたり。)
上場企業編
  • 「ここ2〜3年、自治体の表現の方が面白い。」にも同意。企業サイトのデザインの優先度が下がっていてお金をかけなくなっているので仕方がないのかも…。
  • ペライチからの影響 → 多段レイアウトが無くなり、LP化。
  • 自治体で元気なフッター山の影響で、フッター街の出現! ← ヘッダーのグロナビがどんどんシンプルになり、デザインがどんどんストイックになる中、デザイナーがフッターでしか遊べない。「ただのツメアト!」
「みんなの癒し★」自治体編
  • 「やさしさの追求」から「やさしさ表現のインフレ」へ(表現のみの変化で、使い勝手は以前と変わっていない)
  • くらしのガイド化。柔らかいイラスト(いらすとやさんみたいなの)が増えてる。今までピクトグラムだった場所もイラストに。「イラストが案外安いことに気付いた?!」→誰からも文句を言われないのでこれからも増えそう。
  • 2年前に人気爆発していたゆるキャラブームの終焉 → コンシェルジュとして復活!!ここがベストな持ち場かも。

登壇者のみなさんの「次の10年へ」で勇気づけられる。

「矢野の目」で矢野さんが「デザインのルールを再利用しやすいようにデザインガイド(DLS)を作るのがデザイナーの仕事になる、それを使うのはデザイナー以外(AI含む)」と仰ってたのが今回一番の衝撃でした。

でも最後のまとめで「5万人から抽出した1つのペルソナを満足させるのはAIにできるけど、50人を満足させるのは人間の仕事、下流の仕事は残る」とも仰っていて、DLSと合わせて、今後Webデザイナーとして何を作り、どんな仕事をしていけば良いのかを考えるきっかけをいただいた気がします。

合わせて坂本さんの「今後10年の変化も想定の範囲内」という心強いワードと、深沢さんの「街のウェブ屋さんは死なない」という熱いメッセージにも勇気づけられました。

あと、原さんの「二世の時代が来る(=親がWebデザイナー、親のやったことを全否定するかも、その中で自分たちは何を残せるか)」というお話も、めちゃくちゃ共感しました。

今後もWebデザイナーとしてお仕事を続けるために勉強しないといけないこと、おさえておかないといけない動向は山盛りですが、「自分がどうありたいか」「どんな立ち位置でいたいのか」「何を武器にするのか」も、じっくり考えたくなりました。

全8セッション+懇親会まで、濃厚な1日をありがとうございました!

本編はもちろん、15分のスポンサーセッションもどれも内容ギッシリでお得感満載でした。Adobe XDは使い始めてるけど今後の進化がめちゃくちゃ楽しみになったし(バージョン管理はめっちゃ欲しい!)、テスト環境・公開環境とバックアップが標準装備のサーバー「SmartRelease」も魅力的でした。

続けるのは大変だと思いますが「来年のWebデザイントレンドまでまた1年頑張るぞ!」という気持ちなので、来年も開催されることを願っています。

出演者の皆さん、スタッフの皆さん、懇親会でお話してくださった皆さん、ありがとうございました!

コヤミーさんのiPhoneが見つかりますように!!

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